バイオ燃料って・・

08053101バターを初めとした乳製品が品薄で、値段が上がっています。
写真のバターは我が家で使っていた物ですが、200g/300円前後で販売されていました。
今は、スーパーのこのバターがあった場所が空きスペースになっています。
高価な輸入バターが数個、申し訳のように置いてありました。

一次は「チーズが人気でバター用の原料が足りない」などと言われていましたが、どっこいチーズも品薄で、大袋のシュレッドチーズ等は欠品が多く値段も上がりました。
それは原料の生乳が不足しているからで、夏までには牛乳も値上がりするし、品薄になると予測されています。
生乳が何故不足しているかというと、牛の飼料である穀類の高騰で、畜産農家がやっていけなくなり、頭数の削減や廃業に追い込まれているためです。
穀類と言えば、昨年辺りから小麦粉が高騰して、パンやパスタが値上がりしていますが、実は小麦より先に家畜の飼料となるトウモロコシの高騰があったんですよね。
穀物が高騰して居るんですから、乳製品だけでなく、植物油で作るサラダ油やマーガリンも上がるし、穀物酢も値上がりします。
で、その元凶は「バイオ燃料」です。

バイオ燃料そのものは悪くないですよ。
通常のガソリンよりも二酸化炭素の排出が少ないことは事実ですし、地球温暖化防止の為にも普及実用化は必要かと思いますが、問題はその原料です。
サトウキビ、トウモロコシ、小麦など、人間や家畜の食料となる作物と見事にバッティングして居るんです。
バイオ燃料用に新たに耕作面積を増やしてそれを利用するなら良いのですが、現在のまま収穫した作物をバイオ燃料用に廻しては、食料が足りなくなるのは当然です。
日本は食糧自給率が低いですから、すぐに値上げの影響を受けてしまって、畜産農家の減少や、製品の品薄、値上がりという事態に陥っています。

アフリカ大陸南部を中心とする「飢餓地帯」と呼ばれる国々では、毎日何万人という人(特に子供)が、食べられないために死んでいるわけです。
世界中で9千万人の子供がまともな食事を与えられていないそうです。
バイオ燃料による穀類の高騰は、彼等の生存権を奪っています。
地球温暖化防止は結構ですが、そのために奪われる命などあって良いのでしょうか?

バイオ燃料がガソリンより二酸化炭素の排出が少ないと書きましたが、その製造プラントの建設や運用による二酸化炭素排出量などを考慮すると、全体としての削減効果は怪しいものだという説もあります。
私は学者でもないし政治家でもありませんし、それらのことを検証する術も持ちません。
感覚的に捉えておりますが、何が何でもバイオ燃料というような現在の状況は考え直すべきではないかと思います。

参考サイト→「asahi.com:牛乳よ、お前もか 供給不足、再値上げの可能性
      「asahi.com:小麦・コメ、10年後は3〜4割高 OECDなど予測
      「バイオ燃料 – Wikipedia

“バイオ燃料って・・” への6件の返信

  1.  因みにこのバイオ燃料カラクリがあり、日本の生産方式では殆ど二酸化炭素の排出量は変わりません、バイオ燃料先進国のブラジル方式ならその効果もありますが、EU方式(日本もこの方式)では意味がありませんそれどころか、バイオ燃料を輸入するのに大型タンカーを使うのでその排ガスは今までと変わらない・・・。あまり知られていない事実です。
     (ブラジル方式、EU方式というのは正式名称ではありません。正式名称は忘れました、それからブラジル方式にするにはエンジンの改造が必要です)

  2. tosiさん、いらっしゃい。
    解説ありがとうございました。
    要するに「全体としての削減効果は怪しいものだ」という事ですね。
    ともかく、人間や家畜の食料とバッティングすることが、飢餓を促進するわけです。
    「バイオ」という言葉のイメージだけでバイオ燃料を歓迎している人たちが多いのは
    嫌になります。

  3. このバイオエタノールのために森が大規模に焼き払われ、専用の畑にされている現実からすると、どこがバイオなんだと思ってしまうことしきりです。どうも裏にはアメリカ資本の陰謀があるようですが、またかよって感じですね。
    tosiさんがいうみたいに輸送のことを考えると、まったく無意味です。
    ノーマルエンジンで動かせるバイオ燃料のパーセンテージの低さもさることながら、それにかかるコストと精製と運搬に消費される化石燃料のことを思えば、むしろ国民全員をエコドライブ教育したほうがはるかにエコロジーです。地産地消型のバイオエタノールが実現するならともかく、今の段階では天ぷら油の廃油を使ったBDFのほうがはるかに現実的な気がします。つーか、石油成金のブッシュ坊ちゃまをニヤリとさせるのは、もういいかげんにやめましょうってことで。

  4. ひぐちさん、いらっしゃい。
    結局お決まりの「アメリカ」という事ですね。
    どうにもならんなぁ・・あいつらは。

  5. 何事もトータルで考えないとダメですね。
    どの方法を取っても何らかの問題を抱えてはいるはず。
    その中で環境や経済など色々な側面で一番負担が少ない方法を
    取捨選択するしか無いんでしょう。
    それを間違うとこのバイオエタノールのような問題になってしまう。
    そしてそれらとは別に何でも金儲けの手段にしようとする人間がいるから尚更やっかいなんですよね。

  6. depthfieldさん、いらっしゃい。
    そうです、トータルで考えないとね。
    何でも新しいものを開発するとき、科学者は一面しか見ないし、政治家や企業は
    それを利用して良い面しかオープンにしないというのが原則ですからね。

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