30年程前の金沢の続きですが、今回は金沢近郊の野々市(ののいち)にある「喜多記念館」です。
喜多家は加賀の典型的な町屋造りですが、かなりの豪商だったのでしょう、柱も梁も太く大変立派で上質な作りです。国指定の重要文化財です。
土間から上がったところにある帳場でしょうか。奥への入り口に、流れるような模様が特徴の「加賀暖簾」がかかっています。
この日は少し雪が舞う空模様でした。
電灯は灯っていましたが奥の居間は暗いです。
その暗さの中、障子を通して入ってくる薄明かりが如何にも雪国らしい陰影を作っているようです。
これは「灰型」と呼ばれています。
毎朝、囲炉裏の灰にこのような複雑で美しい模様を描くのだそうです。
残念ながらその意味は忘れましたが、私は枯山水にも通じるようなイメージを持ちました。
雪国でありながら、京の都に勝るとも劣らない加賀の文化。
その文化レベルの高さがこんな所にも表れているのでしょう。
通りに面した二階の廊下です。
廊下の突きあたりに置かれた小引き出しと花器。
こんな所にも生活の豊かさが表れているようです。
しかしこれ、ン十万・・いや・・ン百万の値打ちかも?
二階の座敷にも花が生けられていました。
菊の花が一輪に梅の枝。シンプルで品が良いですね。
この喜多家を見ていると、その大きさや立派さ、調度品の見事さに目を奪われます。でも、灰型や生け花など、暗く長い冬を少しでも心豊かに過ごす小さな工夫を発見して嬉しくなりました。
参考サイト→「喜多記念館」
前回までの金沢の写真→「過去ログ写真館・16」「過去ログ写真館・17」「過去ログ写真館・18」
わぁースゴイですね!
さすが重要文化財!写真からひしひしと重みが伝わってきますね。
特に灰の紋様が素晴らしいです。これすごく難しいんですよね><
こんな囲炉裏でお抹茶たててみたいなぁ。。
パピコさん、いらっしゃい。
古い家はずいぶん見ましたけど、これ程造りが良くて上質な感じがした家は他にないです。
決して他が安っぽいということではなくて、ここが特別にすごいんです。
確かに、こんな見事な灰型を施された囲炉裏でお茶をいただいたら素晴らしいでしょうね。