今日は草刈りデー

05060501今日は例年恒例の地域の奉仕活動がありました。
ひとつは「水辺公園美化活動」です。高川という河川の河原が水辺で遊べるような公園として整備されたのが15年ほども前でしょうか。その河原の草刈りを地元住民が総出で行うものです。田舎では「区」という、都会で言う自治会のような組織があります。その区に加入している世帯では、こういう活動に出なければなりません。(続きは長文です)


朝6時に現地集合です。私も5時過ぎに起きてトーストとコーヒーで簡単に朝食を済ませて、例のエンジン草刈り機を車に積んで出動しました。
場所はこちらの「地図」を見てください。一番下の親水公園と書いてある赤い線の所です。結構広い場所なんですが、何しろ全世帯参加なので150人もの人が来ていますから、実働時間は40分ほどで終わります。
菓子パンとお茶が配られて区からのお知らせなどの話が少しあって解散です。

さて、ふたつ目は「八ヶ岳遊歩道パトロールと草刈り作業」というものです。
水辺公園の草刈りの後、改めて地元の馬頭観音に8時30分に集合します。これは区の全世帯ではなくて区の下にある「組」の代表が出るので、総勢15人ほどです。組というのは回覧板などを回す範囲の組織ですね。要するに昔からある「となり組」というやつです。
今年は私が組長なので出なければなりません。草刈り機を持って集合、作業範囲の分担をします。また「地図」を見ていただきたいのですが、中央下のハイキングコース(信玄の棒道です)と上の方の観音平から三味線滝へ向かうハイキングコースの2カ所をやりますが、これがなかなか手強いのです。
道は地図で見るより細かく曲がりくねっていますから、距離は地図のスケールより長いです。しかもアップダウンがあるし、場所によってはかなり傾斜のきつい所もあって、運動不足の身にはエンジン草刈り機を持って歩くだけでもかなり辛いです。草刈り機は危ないので相当神経を使いますし、まあ誰でも辛いですから休憩しながらですけれど。とりあえず終了しましたが、そこから車を置いてある地点まで登山道を下るわけです。合計で5〜6kmは歩いたでしょうか。最後はもう膝が笑っちゃってしょうがなかったですよ。(笑
結局下山したのは11時半を廻ってしまいました。三分一湧水の所の蕎麦屋(地域興しで地元のおばちゃんたちがやっている店)で昼食です。山かけ、ナメコおろし、木の芽豆腐、天ぷらなど盛りだくさんで、好きな人にはビールも出ます。(私はお茶ですよ)

家に帰ってシャワーを浴び、一息入れながらこの文章を書いています。
これを読まれた皆さんはどのように思われたでしょうか?
くまぶろでも「山番」や「道作りの日」などで書いてきたように、田舎というのは地域での共同作業が多いのです。私も25年前に横浜から越してきた時には、自分が若かったせいもありますが、地元の(特に年配の)人との付き合いはいやでした。ペンションをしているので、何より時間を拘束されるのが困った問題でしたね。でも父が居たので、地元の付き合いの方は父に任せて、区にも加入して居ました。
昨年父が亡くなって、今年いきなり組長が廻ってきたのですが、それほどいやでもなく務めております。まあ私も歳をとったと言うことでしょう。(笑

地域共同で奉仕作業をすること自体は良いことだと思います。地域の一体感というのでしょうか、地域住民が互いに顔見知りになることで、最近都会で増えてきた独居老人の孤独死なんて事も避けられるでしょうし、防災・防犯面でも、そして何より地域環境の保全には役立っているでしょう。
ただ、草刈りについては安全という面で再考を要すると思っています。昔は殆どの住民が農業か林業をやっていて草刈り機の取り扱いも「プロ」というか、慣れていた訳です。今はそういう人たちも居なくなり、出てくる人も高齢です。今まで草刈り機など持ったこともないような人たちが共同作業をするというのは、ちょっと怖いものがありますね。
もし怪我でもしたら誰が保証してくれるんでしょう。まして他人に怪我をさせてしまったら、、、私はかなり精神的な緊張を感じました。
今日の草刈りはどちらも行政(北杜市)から補助金(名称は違うかも)が出ているはずです。150人にパンとお茶で数万円。15人に昼食と飲み物で数万円。まあ、そのくらいは出ているのが当然というものです。その予算で、専門家(業者)に草刈りを委託する事は考えないのでしょうか?
私たちの地域ではありませんが、足を切断してしまった人や、飛んできた石で失明した人も居ます。そうなった場合に某かの保証が受けられたとしても、一生残る障害に見合うはずはありません。「慣例だから」という理由で続けているなら、是非考えて欲しい問題です。

最後になりましたが、北杜市武川町(旧北巨摩郡武川村)にお住いのフリーライター渡辺穣さんがアップされている「北杜市北梨門倶楽部」というブログに「区、組、無尽、育成会についてご意見募集!」というエントリーがありましたのでトラックバックさせていただきました。(北梨門というのは「来たり者」つまり「余所者」という意味の当て字ですね)
無尽と育成会については別にした方が妥当だと思うので、ここでは区と組の事だけを書きます。

この地域(北杜市長坂町小荒間)には、東、中、西の三つの区があります。どの区も加入は任意です。(元々地元の方はほぼ100%加入していますが)区に入れば自動的に組にも入るので、この後は同じ物として書きますね。
新しい家が出来ると、その時の区長か組長が区に入るか否かの希望を聞きます。区に入るという事は、回覧板が回って来るという事で行政からの連絡を受けられるし、ゴミの集積所を使う権利などを得られる訳ですが、区費などの費用負担や、共同作業へ出る義務が生じます。共同作業は特別な理由がない欠席は「出不足」と呼ばれる費用を請求されます。
区に加入しない場合は別荘と同じ扱いで「協力金」と言うものを支払います。回覧板は回ってこないし、区を通じての行政サービスは受けられません。直接市役所へ行けば、広報誌などはもらえます。もちろん共同作業の義務はありません。
この協力金というのが地域によってまちまちのようですね。この地区では

“今日は草刈りデー” への14件の返信

  1. 初めてコメントします。「北杜市北梨門倶楽部」のトラックバックから来ました、tosiと言います。私は先祖代々の北杜市(須玉)っ子で。たまたま見つけた「北杜市北梨門倶楽部」で区・無尽の問題をふっかけた張本人です。くまぱぱさんのように、移住なさってきた方でも、区に加入されている方が居る事を知り嬉しくなり、コメントさせていただきました。常々、移住者の方にも区に加入していただき、地域との関わりを持ってもらいたいと思っています。
     地域の労働奉仕を業者へ委託・・・の件ですが、これは、費用の問題もありますが、地域の事は地域の人間で、と、言う事なんです。実際、市からの補助金は減額もしくは廃止となっています。やはり、自分の地域は自分たちの手で、と、思うのです。
     「草刈り機」の件ですが、最近の物には、ハンドルから手を放すと刃が停止する物や、刃を高く上げると停止する物もありますよ(どちらも高価ですが・・・)又、刃をナイロン製の物にすると、重量が軽くなり大分楽です、但し、硬い枝のような物は刈れないですが・・・
     
     自分勝手なコメントで申し訳ありませんでした。最後に私もブログを持っています、よろしければ暇な時に覗いて見てコメントを下さい。我が柔道部のページもよろしくお願いします。

  2. tisiさん、いらっしゃい。
    北梨門倶楽部のコメントは拝見していました。
    「地域の事は地域の人間で」というのはその通りだと思います。
    私の主旨は「地域の労働奉仕を業者へ委託」ではなくて「危険な作業を昔からの慣例で
    何の保証もなく一般住民にさせていて良いのか」という事です。
    道路脇や学校などの草刈りは殆ど問題ないでしょう。
    河原とか登山道など、足場が悪い場所や急斜面の草刈りはやはり危険です。

  3. くまぱぱさん、tosiさん、何だが、あちこちでコメント入れ合っていると、一度も会ったことがないのに、すでに何度も会っているような気がして不思議です。
    さて本題ですが、たとえば僕自身のことを言えば、草刈り作業で一緒に汗を流すも結構ですし、そうしたあとの連帯感の高まりみたいなものは良く理解できます。それから、誤解なきように言いますが、僕個人は、現在の状況にそれほど不便・不都合を感じているわけではありません。問題は、僕とは違って、現状、非常に苦労し悩んでいる方も多いということなのです。
    くまぱぱさんは、作用の危険性という話をされました。このことについては、以前、長坂の方からも同様のことを聞いています。奉仕作業で、非常に急な坂があって、必ずけが人が出るらしく、これはおかしいのではないかと。
     また、移住者は、定年退職後で高齢者も多いことも事実です。しかも彼らは草刈り機を所有していないのはもちろん、いまだかつて一度も触ったこともないのです。そういう高齢者を坂に連れ出して、作業させるのは、さすがに無理があるでしょう。僕自身も草刈り機は持ってません。それを奉仕作業だけのために買わなければいけないのでしょうか。
     僕の知人は、「自分は草刈りでは貢献できないけれども、パソコンのメンテや指導で貢献できる」といって、ボランティアでお年寄りのパソコンの世話をしている移住者がいます。僕はこういうことでいいのではないかと思うのです。
     また時間の拘束というもの大問題です。僕のように、ほとんど毎日締め切りに追われ、土日も休めず、仕事をしているような人は、まず間違いなく、奉仕作業には出られません。フレックスタイムにしてくれれば別ですが、そうもいかないでしょうし、僕が出られないから、妻が出ても、参加とは認められないという話もきいたことがあります。
     ここで些末な話をいくら書いても仕方ありませんが、そういう移住者の事情(これはわがままではありません。地元の人とは違う事情なのです)を、きちんと話し合い、調整する姿勢が、参加者全員に求められるのであり、そういう状況を行政も改善する気持ちが必要なのだと思います。

  4. 再び渡辺です。
    前回のコメントに誤字がありました。すみません。
    「作用の危険性」ではなく「作業の危険性」です。
    それと、くまぱぱさんが書いておられた、作業で足を切断した方、失明された方は、その後どうなったのでしょうかねえ。もしご存じで、不都合がなければ、教えて頂けますか?よろしくです。

  5. Joeさん、いらっしゃい。
    書き込みありがとうございます。
    おっしゃること、もっともだと思います。
    補足説明として追記をアップしました。
    補助金を受ける事業ということではなく、行政から地区に委託された作業でした。
    委託でも何でも危険なことは確かなので、誰でも出なければならない奉仕作業としては
    不適切だと思います。
    足を切断した方、失明された方については、私が地元のお年寄りから聞いたので、その時は
    「どこそこの誰々さん」と名前を言われたと思いますが失念しました。
    その話をされたお年寄りは亡くなってしまったので確認が出来ません。
    誰か他に知っている人がいれば良いのですが。
    またこれは他の地元の年配の方ですが、先日の作業の時に「こんな事で怪我したって
    何も保証は無いんだから、若い人もせいぜい気を付けな。」と言われました。
    私も今年50才ですが、この辺では「若い人」の内に入るようです。

  6.  「何の補償もない」というのは、やはり納得がいきませんね。そもそも危険な作業が奉仕作業として不適切というものおっしゃるとおりだと思います。
     行政として、この問題を今一度考え直すのであれば、今、新しい市ができたばかりのタイミングが最適だと思うんですがね。なんとか、これをきっかけに、ムーブメントを起こしていきたいものだと思っています。
     これからもよろしくお願いします。

  7. tosiです。私の地元の奉仕作業(地元では、「ごうやく」と言います。漢字は判らないですが・・・)では、基本的に草刈のみと言う事はないのですが、確かに、危険を伴う作業は若い人にまかせられます。又、草刈り機等の機械の無い方は、鎌を持参しています。つまり、自分で用意でき、自分に出きる範囲の事をしているのです。危険な箇所については、あえて作業をしない場合もあります。
     この作業に参加するのに、決まりはなく、その家の事情により、奥様が参加する場合も有れば、息子が参加する場合もあります。我が家では、奉仕作業の場合すべて私が参加します。常会等の集まりは父で無いとダメなのですが・・・
     この、作業にしても、取られる時間は多くて1日、それが年2〜3回程度ですので、さほど負担に思った事もありません

  8. Joeさん、いらっしゃい。
    事故の場合の保証について今まで説明がない所を見ると、保証はないと判断するのが
    妥当なようですね。
    想像ですが、せいぜい市と区から見舞金程度ではないでしょうか?

  9. tosiです。事故の場合の保証は・・・正直怪我は自分持ち・・・のようです。ちなみに、私の地域では、組内の人間は家族も含め農協の障害保険に加入しています。掛け金は500円程度です。もちろん強制ではありません。
     区・組の事について、私なりの考えを自分のブログにアップしましたので、そちらも覗いて、ご意見を下さい。

  10. tosiさん、いらっしゃい。
    > 取られる時間は多くて1日、それが年2〜3回程度ですので、さほど負担に思った事もありません
    それは私も特に負担とは感じていません。
    ただまあ、殆どの共同作業が日曜日の朝なので、我が家のような小規模宿泊業では如何ともし難い時はありますが。
    その場合はいさぎよく欠席して出不足金を払っています。(笑
    tosiさんのブログ、後でお邪魔しますね。

  11. 私たちの地区では、この日は消防団の防災訓練でした。前に堤防が決壊したことがあるので、ゴムボートを組み立てたり、土嚢を積んだりで…。疲れがまだ抜けない。(;_;)
    PS.チップトップの方をリンクさせてもらいました。

  12. ゆうじさん、いらっしゃい。
    訓練ですか、お疲れ様です。
    消防団の場合は単に地元の付き合いという範囲では無いですから
    大変なものがありますね。
    リンクありがとうございます。

  13. ついに、むかわの湯へ! そして武川の景観考(2)

    少し事情は異なるのですが、草刈りは大変だよ!という話をしてみたのでTBしました。

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