料理写真

08113001あらゆる分野の写真の中で、最も難しいと言われる料理写真。
プロでも特に「料理写真家」と呼ばれる専門家が居るくらいで、スタジオや機材さえあれば上手く撮れるというものではないですね。

スタジオも機材もないし、プロでもない私としては、偶然に期待するか、デジタルで補正するしかありません。
何しろ料理の写真は「美味しそうに見えなければならない」という大前提がありますからね。
上の写真は未補正ですが、湯気がきれいでしょう。
それでも更に美味しそうに見せるためには、もう少し明るくしてコントラストを上げる必要があります。
で、補正をしたのが「ニョッキ&スープ・ランチセット」の1枚目の写真です。

08113002この写真は上の写真の30秒後くらいに撮ったものです。
湯気は、殆ど同じくらい立っているのですが、光線の具合でしょう・・全く写っていませんね。
しかもちょっと暗く写ってしまいました。
08113003トーンカーブで補正しました。
このくらい明るくすると、それなりに美味しそうに見えてきます。
元々明るいグラスなど、すっ飛び気味ですが、主役は料理ですから気にしません。

でもこれだけじゃ、まだ少し物足りないですよね。
そう・・ここは一つ、湯気を描いてしまいましょう。(笑
写真の上にレイヤーをかけて、湯気の欲しい場所に白のブラシで適当にヘロヘロっと描きます。
透明度を50%以下にして、ぼかしフィルターで湯気らしく見えるように調整します。
そういう加工をして完成したのが「ニョッキ&スープ・ランチセット」の2枚目の写真です。

1枚目の写真は、横から撮っているので「立ちのぼる」感じの湯気ですが、2枚目の写真は、上から撮っているので、湯気のある場所に横から光があたってハレーションを起こしたような感じになります。
如何にリアルに表現できるか・・もちろんわざとらしくなっても困りますけどね。(笑

08113004もう一つ・・「写真の補正と加工」で、明るくして、スプーンの反射を消した2枚目の写真に、更に湯気を加えたのが、左の写真です。
比べれば分かりますが、絶対美味そうに見えるでしょう。
設備の整ったスタジオで、機材や助手も使えるならいざ知らず、私たちはとてもそんなことは出来ませんから、こういう加工は当然です。
プロだって、カメラの前に煮え立ったお湯の器を置いたり、ドライアイスを使ったり・・ある意味「反則わざ」はずいぶん使いますからね。(笑

料理は旨そうに見えるのが正しいんです。
第一、報道写真じゃないんだから、真実を写す必要はないわけですし・・

“料理写真” への4件の返信

  1. こういう写真は本物を写すのではなく、
    本物っぽく写すのが基本ですからね。
    焼肉とか魚介類の鍋物とかは焼いたり煮たりしちゃうと
    まずそうに見えちゃいます。
    だから生の状態に近いまま撮ったりしますしね。
    しかもテカリを出すために油とか塗るので
    撮った後は食べる気がしなくなってしまいます。

  2. 昔、誰かが「紅茶はカップにお醤油たらして薄めて撮る」って言ってたよね。
    いちいち煎れるの面倒だからだろうけど。

  3. depthfieldさん、いらっしゃい。
    そうそう、焼き魚なんか、生の魚の表面だけバーナーで焙ったり、
    反射が強すぎる時はマットスプレー吹いちゃったり・・
    我が家の場合は、写真を撮った後、自分たちが食事として食べるので、
    絶対そんなことは出来ません。(笑

  4. たまさん、いらっしゃい。
    色々な小物をセットして、ライティングを確認して、実際にシャッターを切る
    までに相当時間がかかるし、湯気を出すためにポットで温めておくと、紅茶って
    濁っちゃうし・・
    醤油をお湯で割れば、湯気も出るからね。(笑
    テーブルセットの脇役として紅茶があるような場合は、そんなものだけど、
    紅茶が主役の写真の場合は、ちゃんと入れ立ての紅茶を撮ってるはずです。

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