スティーブ・ジョブズ-偶像復活

05110501原題は「iCon Steve Jobs」
アメリカで発禁騒ぎも起きた本の日本語版を、数日前にある方からいただきました。
え、待ってよ、これまだ発売されていないでしょ?・・くださった方によると11月7日配本とか。そんな訳で、発売前に少々感想でもと思ったんですが、読書感想文は大の苦手なんです。(笑)

昔からのMacユーザーの中には神様のように言う人も居ますが、私はSteve Jobsに対して特別な感情を持っていませんでした。Appleの創業者で、社内の衝突から一時余所へ出ていたが倒産しかけたAppleに戻って立て直した、類い希な才能を持った人間という認識はしていましたけれど。

05110502この本は基本的にSteve Jobsの半生記でありサクセスストーリーであるとは思います。
ただ、普通のそういう類の本にはあまり書かれない部分と言うか、直接Steve Jobsと関係があった人たちの彼に対する見方や裏話が書かれています。

はっきり言って「嫌な奴」ですね〜(爆) 常識的な人間には耐えられないでしょうね。こんな奴と付き合わなければならなかったら「やってられない」だろうなと思います。
Steve Jobsがもう少し「まともな人間」だったらAppleを追い出されることもなかったし、それ以前にAppleは業績が悪化することも無かったかも知れません。
ただそれで、Appleが今のような魅力的な製品を持つことになったかと言われれば、Yesとは言いにくいですね。良くも悪くも、彼が居て初めて今のAppleはあるし、Pixar(トイ・ストーリーなどを作ったアニメスタジオ)の大成功もあるのだという事は間違いないと思います。そういう意味で、素晴らしい嫌な奴ですね。(笑

皆さん言ってることですが、正に「カリスマ」です。カリスマの行き着く先は、大成功か破滅のどちらかですね。今は大成功しているSteve Jobsですが、それがいつまで続くかは誰にも分かりません。
ただ、膵臓癌の手術から復帰してきた後の彼はいい顔していると思います。今のSteve Jobsは嫌いじゃありません。もっとも、今現在ビジネスで直接関わっている人にはどうだか分かりませんけれど。(笑
私と同じ1955年生まれ、今年50才の彼が、大成功のまま続くかは分からないけれど、温かさに包まれた幸せな後半生が送れるように祈りたいと思います。

訳者の井口耕二さんの後書きで、パソコンで一般に言うicon(アイコン)と、教会などで信仰の対象となるicon(イコン)の話が出ていたのを興味深く読みました。元は同じなんですね。iCon、iMac、iPod、、、おっと、これ以上は本を買ってお読みくださいね。(笑

: スティーブ・ジョブズ-偶像復活スティーブ・ジョブズ-偶像復活

参考サイト→「イコン – Wikipedia
今年6月12日、スタンフォード大学の卒業式でSteve Jobsが行った祝賀スピーチ→「前編」「後編
井口耕二さんのブログ→「Buckeye the Translator

“スティーブ・ジョブズ-偶像復活” への8件の返信

  1. 興味深く読ませて頂きました。
    読書感想文〜懐かしい(笑)
    社会的有名人に対する評論や半生記を読まずに(あ、芸術家とかは別ですけど)きたので、そういうものがビジネス社会では好んで読まれている現状を理解しているとは言い難い・・・
    ですけど、本当に何かがきっかけで、人生が変わる人はいますね。
    イコンの話も面白いですね。
    カリスマ性っていうのはまた!人間は本当にそんな人を必要とするんでしょうか?謎ですね〜〜〜

  2. ASさん、いらっしゃい。
    例えば、ホリエモンとか楽天の三谷社長でしたっけ? 彼等の半生記だったら読みたいとは
    思わないし、本を無料でもらっても読まないですねぇ。
    何故かと言えば「興味の対象外」だからです。
    私はSteve Jobsを崇拝も尊敬もしないけれど、私が愛用するMacintoshを作った人間の
    一人として興味は持っていました。
    もし、ビル・ゲイツがMacintoshを作っていたならビル・ゲイツに興味を持ったでしょうね。(爆
    カリスマというのは私は嫌いです。
    カリスマは周囲の人間を使い捨てにしますから。
    出来ればお付き合いしたくない人種ですね。

  3. 不得意な感想文を書かせてしまってすみませんm(_ _)m そういえば、私も大嫌いでした>読書感想文
    私も、この人と一緒に仕事はしたくないなと思います。でもでも、ここまでの人でなければあれだけ大きなことはできなかっただろうなとも思いますし、こういう人がいてくれた恩恵はめいっぱい享受しております。
    私は、何をするにも、まずは人、そして人と人の信頼が基本だと思うし、同じ仕事をするなら、自分も相手も気持ちよくなるようにしたいと思います。ま、だから、幸せではあっても、あんな大成功とは無縁な人生を送っているということなんでしょう(^^;)
    特に最初のほうはハラがたつ話が多いんですが、全体を読み終わると、信じることを追求するってことが大事なんだなという気になりますね。くまぱぱが紹介されているスタンフォード大学卒業式でのスピーチを読んだときと同じような感覚です。なんというか、今の日本って、「がんばってもどうせ……」っていうように思う人が増えている気がするんですが、そんなことはないんだ、「一念、岩をも通す」なんだと思わせてくれる人生なんだと思います。
    自分の人生は1回こっきりですから、他人の人生を疑似体験してみれる伝記や歴史って、おもしろいと思いますよ>ASさん
    特にジョブズの伝記は、自慢満載の単なるサクセスストーリーではなく、山あり谷ありの波瀾万丈ですからね。

  4. 井口耕二さん、いらっしゃい。
    訳者自ら訪問いただき、ありがとうございます。
    > 全体を読み終わると、信じることを追求するってことが大事なんだなという気になりますね。
    そう、その通りですね。
    信じて突き進む意志の強さはすごいですね。
    パートナーにはしたくないけど、大切なものを教えてくれているような気がします。
    スタンフォード大学卒業式でのスピーチですが、井口さんのブログで、その日本語訳についての
    記事を読ませていただきました。
    なるほど〜と思いました。
    皆さんも是非、井口さんのブログへ行ってみてください。

  5. スティーブ・ジョブズ-偶像復活 by ジェフリー・S・ヤング他

    そうだ、そういえばスティーブ・ジョブズはこーゆー人だった、というのを思い出すのに

  6. 「iCon スティーブ・ジョブズ-偶像復活」

    1996年、僕は初めてマッキントッシュを買った。
    それは、新卒での就職を放棄した初冬のことである。
    当時Macは、日本ではデザイナーなどクリエイティブ職の人のみが使うパソコンということになっていた。
    そんなブランドイメージに心引かれ…

  7. Steve Jobs 稀代のビジョナリー

    『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』を読み終えた。
    カリスマと称されることが多いジョブズだが…、本書を読むとその実態が良く分かる。
    果たしてその正体を、私は\稀代のビジョナリー\と位置づける。
    本書はアメリカで発禁騒動も起こったと言うが、それも納得ができる。
    その語り口は、慈愛に満ちてはいるが、その悪意的にも取れるほどの彼の闇(精神性や性格、言動など)を鋭く書き連ねる。
    「嫌なやつだな」という書評エントリーが多いのもうなずける。
    こんなにもエキセントリックな人間…

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