使い古しのスケッチブック・6

06101001このシリーズも「第1回」以外は風景スケッチでしたね。今回は珍しく人物です。人物と言っても街でのスケッチではなく、デッサン教室で描いた裸婦クロッキーです。
美術を専門に学んだ人以外は裸婦を描く機会はまず無いでしょうね。
デッサン力を高めるには最も効果的であると同時に、奥が深く一番難しいのも裸婦なんです。

クロッキーというのは短時間で素早く描く素描の事です。厳密な決まりはないですが概ね10分以内の場合が多いです。
061010023分とか1分なんて制限される事もあります。場合によっては30秒なんて事も。
要するに「短時間で如何に対象を捉えるか」というトレーニングなんです。
だから多少間違えても、線が何重になってしまっても構わずにどんどん描きます。
もちろん時間が短いですから、顔などを丁寧に描くひまはありません。線で目鼻の位置というか、顔の向きが分かるようにする程度です。
06101003今回掲載した絵は28〜29年前の物です。
その頃は既にグラフィックデザインの仕事をしていたし、自分ではそれなりのレベルに居たとは思います。でも、更に守備範囲を広げたいという欲求は常に持っていましたね。
このデッサン教室には、週2回ほど仕事帰りに通っていました。
職場が銀座、教室が赤坂見附、自宅が横浜の内陸部の方だったので、デッサン教室を終わって家に帰ると夜12時近くなってしまうこともありました。
時々訊かれるのが「教室へ来る裸婦モデルってどんな人なの?」って事。
一言で言えば普通の女性です。
いや、何が普通かって、写真のモデルなら「美人で肌がきれいでなければ」とか、ファッションモデルなら「細くて背が高くなければ」ですよね。でもデッサンのモデルって、そういうのぜんぜん関係ないんです。
背が低くても太っていてもいいし、色が黒くても顔の造作が多少悪くても(失礼!)全く問題なし。(笑
逆に、ファッションモデルみたいにスタイルが良かったり超美人だったりすると、イメージが固定されちゃって描きにくいんですよね。

何しろ昔のことなので、最近はこういうデッサン教室があるのかどうかも知りません。
私の居たクラスは20人くらいで、夜間ですから殆ど全員が社会人で、女性も3分の1くらい居ましたね。私のように既にデザイン業界に身を置いてる人も少しは居ましたが、大抵はこれからアートの世界で仕事をしたいと考えている人たちでした。
まあ、何と言うか・・エネルギーかな・・一種独特の雰囲気がありました。

“使い古しのスケッチブック・6” への2件の返信

  1. くまぱぱさん、こんばんは。
    わあ〜〜〜!!!
    凄いな〜〜〜〜!!!
    裸婦のスケッチって、難しいんでしょ?
    私はやったことが無いんですよ。
    なんだか、芸術の秋の話題に相応しいですね。
    それにしても・・・女性でもドキドキしそうです。

  2. ASさん、いらっしゃい。
    慣れない人はちょっと戸惑うかも知れませんね。
    私も初めての時はちょっとどきどきしましたが、実際その場にいると真剣そのもので、直ぐに
    どきどきなんかしなくなります。(笑
    裸婦スケッチは勉強になりますよ〜
    絵を描く人は、機会があれば是非やってみることをお薦めします。

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