東欧のグラフィック

07011901このブログではお馴染みの「pen」誌の特集です。
「チェコ、ポーランド、ハンガリー、スロヴァキアの4ヶ国を現地取材!」とあります。
ドイツの占領からソ連軍によって解放され、社会主義体制により表現の自由も規制された東欧の国々・・そこにどんなデザインがあったのか、私は大変興味を惹かれました。

2007年2月1日号(No.191)です。
参考サイト→「Pen オフィシャルサイト
07011902社会主義時代から開催されている二つのビエンナーレで西のデザインも知りつつ、東欧独自のグラフィックが育ってきたのが面白いです。
自由化されてからの新しい作家の作品も良いですが、社会主義時代の作家の作品がまたいい感じ。
確かに古さは感じるんですが、独特の力強さがあります。それは社会主義による制限を受けながら築かれたものなのかも知れません。
社会主義体制に都合の悪い表現をすれば処罰の対象になった時代。
表面的には何の問題もないように見せて、その奥に本当の意味を隠している。
作家だけでなく、作品を見る一般の人々もそれを知っていたという事です。
体制の如何に関わらず、根本的な精神の部分では決して支配されなかった東欧の人々の賢さと強かさを感じます。

それに対して、自由に表現でき、あらゆる情報(偽情報も含めて)が流れる今の日本。
余談ですが、例の納豆の事件など、あの番組の胡散臭さを見破れない人が大勢居たから、あんな騒ぎになったわけです。
マスコミにせよ政治にせよ、本当に国民に知らせなければならないことを意図的に隠すことで世論を都合の良い方に操作するなんて事は日常的に行われています。
自由主義国だからといって国民に全てが明かされているわけではない・・国民が賢くなくて良いわけはない・・なんて事をふと思ってしまいました。

“東欧のグラフィック” への4件の返信

  1. 共産圏のグラフィックは素朴だけれど
    力強いのが多いですね。
    情報操作という意味では共産圏も
    今の日本もある意味変わらないのかもしれない。
    的確な判断が出来る自分の目を養うことが大事なのでしょう。
    それがなかなか難しい。

  2. exifさん、いらっしゃい。
    いい感じの作品が多いですよね。
    この記事を見る前は、もっとカタイのばかりだと思っていたんですけれど。
    同じ社会主義、共産主義国家の国民でも西欧人と東洋人では違いますね。
    西欧人だからこそベルリンの壁は崩壊したし東欧諸国も一党独裁から救われたと思います。
    対して日本はどうでしょうね・・・?

  3. 東欧のデザインって、重たいですね。
    昭和30年代くらいの日本のパッケージってこういうデザインだったのじゃないかな。。。
    うちのピアノはチェコ製で、木目・猫足でレリーフもついて、済んだ甘い音がしますが、なぜかふわっとしたエレガントさじゃなくて、石像を思わせるものがあります。
    こうなっちゃうのって、気候が厳しいせいでしょうか・・・。

  4. きのさん、いらっしゃい。
    確かに重いですね。
    それは社会主義の歴史があるから、ある意味当然かも知れません。
    気候はどうでしょう・・ドイツやオーストリアなどとそれほど違うとも思えませんが・・
    ふわっとしたエレガントさと言えばフランスやイタリア辺りまで行かないと無いかも知れません。
    ヨーロッパって、基本的に固くて暗い部分を根源に持っていますからね。

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