大曲りを登る


かつては小海線の列車運用上の最大の難所でした。
勾配は25‰(中央線の再急勾配と同じ)ですから、小海線最急の33‰には及ばないんですけれど。


先ず、始発駅の小淵沢からいきなり始まる急勾配で、次の甲斐小泉駅まで勾配がゆるくなる区間が全く無いこと。


そこを発車したばかりの機関車(パワーの小さいC56型)で登らなければならない。もちろん発車前に十分石炭を焚いて蒸気圧を上げていても結構厳しい条件でした。


人が歩くような速度しか出ないこともあり、途中で登れなくなって小淵沢までバックして、時間をかけて蒸気圧を上げて再挑戦。そんな事もあったとか。


ディーゼル化された後も、キハ20、22などの1エンジン(180ps)の車両ではやはり力不足で、キハ52などの勾配区間用に2台のエンジンを積んだ車両が導入されました。
車体を震わせるほどの轟音を上げて30kmほどの速度で登っていきました。

今のキハ110系は420PSという強力なエンジン1台で時速60km。
音もそれほど大きくなく、涼しい顔で登ってきます。
そのキハ110系は1990年から製造開始し、1999年に製造を終了しています。