今回は、新旧スキャナーの写真を並べてみて、その違いを確認しようと思います。
同じポジを新旧のスキャナーで取り込み、それぞれが一番きれいに見える状態に補正しました。
それを一つの画像に合わせていますが、左が新しいGT-F730、右が古いD660Uです。
これは鎌倉のミルクホールという店の窓辺です。
解像度の高さによるシャープネスと、暗部の再現力に明確な差が出ています。
横浜港祭りで撮った、火消し纏(まとい)の演技です。
これも解像度と暗部の再現力の差が出ています。
素早い動きのため纏や手はブレていますが、顔や法被の文字はピタッと止まっています。
右の写真は、コントラストが高く力強いように見えますが、実は暗部がつぶれているだけなんです。
鎌倉・報国寺の竹林の庭です。
左は、スキャニング中に振動があってポジが動いたのでしょう・・画面が左右にブレています。
スキャニング中に振動を与えないのは常識で、揺らしてしまった私が悪いんですが、D660Uのポジホルダーに少々ゆるみがあるので、少しの振動でこんな事になってしまうんです。
浅草の羽子板市の写真です。
このコマは、上がF730、下がD660Uです。
裸電球の照明にストロボをシンクロさせています。
一番差が出にくい条件だと思いますが、やはり暗部のつぶれはいかんともし難いようです。
客の注文に応じて羽子板の品定めをしている店主の、羽織の紐の一部が消えています。
羽子板一つ一つの表情なども、解像度の差が現れていますね。
撮影は、どれも1976(昭和51)年で、今まで「過去ログ写真館」には掲載していない写真です。
さて、新旧スキャナー比較ですが、こうして写真を並べてしまえば差があるのが当然なんです。
8年以上のテクノロジーの差は仕方がありません。
むしろ、古いD660Uは、良く健闘していると思いますよ。
35mmカラーポジからの拡大スキャンですから、条件は悪いんですよね。
反射原稿のスキャニングでは、これほどの差は出ませんし、実用面では問題ない性能を持っています。
古いポジというなかなか難しい素材ですから厳しいですがやはり新しい方が良いですね。
ラチチュードが広いというのでしょうか。
こうやってみるとD660Uの方がコントラストが高いように
見えますが、それだけ明暗の許容範囲が狭いのでしょうね。
flipperさん、いらっしゃい。
そう、おっしゃるとおりですね。
D660Uの方で、真っ暗に写っている部分は、Photoshopでレベル補正しても何も出てきません。
まあ、古い機種なので仕方の無い事ですけれど。