ライブセッション

10082401「ジャズに名曲無し〜名演あるのみ」とは、昔から聞く言葉です。
いや、私は、素晴らしい名曲があると思いますが・・(笑
今回ご紹介するのは、まさに「名演奏」の一つです。


1972年に2度目の来日をしたテディ・ウィルソンと北村英二による飯野ホールでのライブです。
昔、トリオレコードから出ていた「Teddy & Eiji」LP三部作の2枚目と同じ内容です。
10082402どの曲もレベルの高い演奏ですが、特に「セント・ジェームス病院」は、光井章夫のトランペットが絶品です。
光井章夫は、トランぺッターであると同時にヴォーカルもこなし、日本のサッチモとも呼ばれている人です。
スランプだった彼が、この演奏で一気によみがえったとも言われている名演奏です。
このCDには、もう一つ名演奏があります。
最後の「サムディ・スイートハート」・・前半は割と淡々と順にソロをまわして行くんですが、終盤の北村英二のソロがいいです。
元々この曲は、ちょっと終わったような感じになってから全員が音を出して終わるんですが、その本当に終わった・・シンバルのハイハットが「チャッ」と鳴って、全ての音が止まる・・その寸前に「まだ終わりたくない」という感じで北村英二のソロが始まるんです。
そこでまた、全員の演奏でエンディングです。
6分32秒の曲ですが、最後の1分あまりに、名演の名演たる所が凝縮されています。

テディ・ウィルソンについては、ジャズ好きには説明の必要はないでしょう。(知らない人は検索を)
大の日本好きで、初来日は1970年(58歳)と遅かったものの、2度目の72年以後は殆ど毎年来日し「グッドマンとやるより楽しい」と、北村英二との演奏を楽しみにしていたそうです。
日本でも各地を回って演奏し、初めて食事に入ったレストランやバーでピアノを見つけると「ちょっと弾かせろ」と弾き始めてしまうような気さくな人だったとか。

このCD、おすすめですよ。→「ライブ・セッション