台風一家

このタイトルは誤字じゃないです。
子供の頃、意味も分からずに「たいふういっか」という言葉を聞いて、親戚の一家の事だと思っていたんです。

当時私は横浜市に住んでいたのですが、その一家は電話も手紙も何の前触れも無しに山梨から突然訪ねてくるのです。一同で7人ほどの大家族なので、その一家に急襲された我が家は正に上を下への大騒ぎになってしまうのです。
慌ててお茶菓子を出したり食事の支度をする母と祖母。材料がないなら寿司でも取れと言う父。ひとしきりお茶を飲んで話をすると「顔を見に来ただけだから」と、食事もせずに帰っていくその一家。
中央高速も無い当時のこと、山梨から日帰りするってのがまず普通はやらない事なんですが、、、後には茫然自失の我が家族が、、「た、台風みたいだった」

台風が過ぎた後のスキッと晴れ渡った様子を「台風一過」と呼ぶ事は、大分後になってから知りました。

金物屋の混沌

040806最近は田舎でもホームセンターというものが多くなっていますが、昔からの地元の金物屋の中にもなかなか侮りがたい店があります。

この店「伊藤物産」と言って結構な老舗ですが、大工,左官などの建築関係から、農家のお祖父さんまで、その道のベテランに贔屓にされている店です。
外から見ると何の変哲もない田舎の金物屋ですが、一歩中へはいるとそこは正に混沌(カオス)の名にふさわしい空間です。所狭しとありとあらゆるものが床から天井まで並べられ、何処に何があるかなど「悔しければ探してみろ」と言わんばかりの空間です。これでも最近は大分整理されてきてますが、店員に欲しい物を言うと迷うことなくサッと出してきます。

その様な中に関の刀匠が鍛えた切り出しとか、樫の木で出来た鍬の柄とか、幻の逸品、レアアイテムが無造作に置いてあったりします。まあ、現物を見ても素人には見分けが付かないですけど。
写真で車が停まっている方が倉庫ですが、更に店の裏側に、それこそ障気が渦を巻いているような何かを感じさせる古い倉庫があります。私は一度だけ入った事がありますが、、、