「手描き」から創るデザイン

11040501誠文堂新光社が発行している「デザインノート」の31号です。
最新号ではありません。
たまたま Amazon を見ていて、バックナンバーを見つけたんです。



テーマはもちろんですが、表紙に細谷巌さんの名前を見つけたのが大きいかな・・
私がデザインを学んだ神奈工の大先輩ですから。
11040502キャノンの広告のシリーズは、私が高校生の頃に注目のデザインでした。
細谷さんがディレクションをしていたのは知っていました。
ただ、スケッチを見たのは今回が初めてですけれど。
11040503こちらは同じキャノンですが「…ing」のシリーズ。(表紙も)
こちらは見たことがあるスケッチがあります。
昔のコマーシャルフォトか何かに載っていたのかも知れません。
もちろん細谷巌さんだけでなく、多くの方のスケッチや考え方が紹介されています。
一つ、スケッチと言っても、クリエーターが自分の考えをまとめるためのスケッチと、プレゼン用のスケッチは違ってあたりまえだし、アートディレクターが自分のイメージをデザイナーやカメラマン、イラストレーターなどに知らせ、アイデアを共有していくためのスケッチはまた違うと思うんです。

私がデザインの勉強をしていた頃は、手描きのスケッチはデザインの行程として必須だったし、プロになってからもそれは変わらなかったです。
先輩からは、描けば描くほど良いものが出来ると言われました・・まあ、それが嫌だと思ったこともありますけどね。(笑

今のデザイナーは、スケッチを描かない人も結構居るようです。
パソコンの利用で、アイデアの初期段階から、外見的には完成に近い状態のカンプが出来ますから、それで良しとする向きもあります。
でも、最初からそういうものを見せてしまうと、その後の発展がなくなってしまうことが多いんですよね。
ここでは上げませんが、その他にもいろいろな問題点があります。

決して昔を懐かしむわけじゃありませんが、せいぜいこの20年くらいですからね・・デザイナーがパソコンを使うようになったのは。
何がなんでも手描き優先とは言いませんが、やはり大事にしたいですよね。

“「手描き」から創るデザイン” への2件の返信

  1. そういえば最近は手描きのカンプって作らない。
    自分でアイデアを出す時には描くけれど
    クライアントに見せる時には既にある程度の完成度を求められてしまう。
    見る人が想像力を持って見てくれて、
    より良い状態へ持ち上げていくという行為が無くなってしまったね。
    今は見本と同じに作らないと違うじゃないなんて言われてしまうし。
    ちょっと楽しくなくなってしまったような気がする。

  2. flipperさん、いらっしゃい。
    そうなんですよね。
    私自身も手描きカンプを作ることは少なくなっています。
    カンプの完成度が高くなるのは悪いことじゃないけど、そこから一歩も出られなくなってしまう
    危険性と表裏一体ですよね。
    特に写真をメイン使ったものは、イメージが固定されてしまいやすいから、難しいですね。

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