ダーマトグラフ


簡単に言えば、紙巻き軸の色鉛筆のようなものだ。
「ようなもの」と言うのはやはり色鉛筆とは違うからだけどね。


芯にワックスが多く含まれていて、色鉛筆より柔らかく粘りがある。つるつるした金属やガラス、・プラスチックなどにも描けるのが特長。


紐を引いて巻紙の1段分を破り、そこからくるくると巻紙を剥がすと芯が5mm出てくる仕掛けだ。芯が短くなったらもう1段剥がすという使い方。

三菱鉛筆製で12色あり、1955(昭和30)年発売開始というロングセラー。当初は木軸だったそうだが、ワックスが多い芯のため温度によって芯が縮み軸から抜けてしまう事があり、紙巻きにすることで解決したと言う。
そのおかげで鉛筆削りが不要というメリットも生まれ、私が小学生の頃は赤鉛筆として筆箱に入れていた。
元は外科手術のときに切開する位置などを皮膚に描いたりという用途もあったらしい。
フィルムカメラの時代には、ネガ袋にチェックを付けたり、指示書きに使っている人が多かったものだ。

描き味としては、色鉛筆とクレヨンの中間と言えば分かりやすいか?
ガラスなどに描いた場合は布で拭き取って消すことができる。
元々は油性だけだったが、今は水性のものも発売されていて、そちらは水で洗い落とすことができる。