落葉松の林

09121401この前の「山番」の時、少しの距離ですが、山の中を歩いてきました。
山番の仕事に見回りの義務はないのですが、閑をもてあましていたのですよ。
一般車通行止めですが、車も走れる幅の林道ですから、歩くのに問題はありません。

周辺は広大な落葉松林です。
沢筋に少し雑木林がありますが、その他は見渡す限りの落葉松です。
09121402その落葉松ですが、高さはあるのに、細いものばかりです。
一抱えもあるのは特別に太いもので、大抵は直径30cm以下ですね。
そして、あちこちに倒木が目立ちます。
幹が折れるのではなく、根こそぎ倒れているんですよ。
八ヶ岳山麓の落葉松林は殆どが人工林・・要するに植林されたものなんです。
戦中戦後、生育が早いことから落葉松の植林が奨励されたようですが、落葉松は製材しても暴れすぎて(捻れたり歪んだりすること)現実的に建築材には出来ません。
つまり、お金にならないですから、手間と費用の掛かる間伐も出来ないわけで、余計にひょろひょろと高さばかり育ってしまったんです。

自生の落葉松は、地上の高さに匹敵するくらい長い直根が地中深く伸びるんですが、植林の落葉松は、その直根が伸びないんです。
・・つまり元々植林に向いた樹種ではないわけで、高く育って強い風を受けると、写真のように根っこごと地面から抜けるように倒れてしまうんです。

今の落葉松を救うのは既に手遅れでしょう。
伐採して、燃料用のチップや、遊歩道などに敷く木片に加工するくらいがせいぜいでしょうね。
50年後、100年後を考えなければなりませんね。

“落葉松の林” への2件の返信

  1. やはり雑木林が良いのでしょうね。
    今の落葉松を置き換える活動とかはあるのでしょうか?
    一気には無理としても
    これから何十年とかけて。

  2. flipperさん、いらっしゃい。
    落葉松を少しずつでも、違う樹種に置き換えていかなければならないのは、多分殆どの人が
    気付いていると思います。
    間伐や下草刈りなどの体験イベントには、結構人が集まるようです。
    ただ、本気で樹種を置き換えるなら、住民ボランティアの森の手入れではダメですね。
    ここは、国や県など、行政の力が必要です。
    行政に、100年とは言いませんが、せめて30年後を考えて「今」動いて欲しいです。

コメントは受け付けていません。