廃車のある風景

05012001朝日を浴びる甲斐駒ヶ岳。寒風の中に堂々と聳える姿は何とも言えない威厳があり、私も好きな山です。

でも今回の主役は、手前の小さな車です。
既に動かなくなって久しいこの車は農業をしているKさんのお父さんの車です。Kさんのお父さんは、若い頃から毎日毎日陽が昇って陽が沈むまで畑で働いた人です。歳をとって農作業の現役を退いてからも田畑の見回りにこのジープタイプの軽四駆に乗って出かけていきました。
朝と夕方は必ずこの場所で周囲の山々を眺める。それを楽しみな日課としていたKさんのお父さんも、今は帰らぬ人となりました。
ある日、Kさんがこの車でお父さんの好きだったこの場所へ来た時、それまで調子良く走っていた車が突然動かなくなりました。多少は整備の心得もあるKさんですが全く原因が分かりません。修理屋を呼ぼうとした時、ふと「この車はここに居たいのかも知れない」と思ったそうです。

それ以来、この車はここに居ます。

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