小淵沢 10 : 07発 225D


1月3日。晴天の甲斐駒を背に大曲りを走る小海線の列車です。


小淵沢駅を出て中央線の線路から離れると、小海線は25‰の急勾配を上り始めます。


「大曲り」と呼ばれるこのカーブに入る手前の踏切より更に手前から始まる急勾配です。


甲斐小泉駅に入るまで勾配の緩むところは1ヶ所も無く、6km以上の連続勾配です。


清里や野辺山あたりのように33パーミルにすればもっと距離は短くできたはずという人もいますが、それは今のように高性能のディーゼル車があればこそです。
始発駅の小淵沢を出てすぐの釜が完全に温まっていないSLにとって、ここの25パーミルは大泉からの30‰にも清里からの33‰にも勝るとも劣らない急勾配なんです。
実際、戦中戦後の石炭の質が悪かった頃には、途中で力尽き、小淵沢まで戻って時間をかけてボイラー圧を上げて再出発する列車もあったということです。