C12型蒸気機関車

13030501旧国鉄の小型蒸気機関車です。
タンク機関車と呼ばれる形態で、比較的短距離の線区で使用されました。
1932(昭和7)年から1947(昭和22)年に282両が製造されました。

この5号機は甲府機関区所属で、さよなら列車「信玄号」を牽引しました。

13030502引退後は甲府舞鶴城址に保存されていました。
城址の発掘整備に伴い、韮崎中央公園に移転したものです。
動輪の直径は1,400mmです。

13030503タンク型なので、運転室の後ろに炭庫、ボイラーの両サイドに水槽が付いています。
運転室の後ろに独立した炭水車を連結しているのがテンダー型です。
その方が石炭や水を大量に積めるので、長距離線区に向いています。

13030504ちなみに、小海線を走っていたC56型は、C12型をテンダー型にした設計です。
C12をテンダー型に改造したのではなく、本体の大部分が共通設計という事です。
足回りなどは、外見もほぼ同じです。

13030505C56にはあるデフレクター(煙除け板)が無いのもC12の特徴です。
走行時の気流を利用して煙を高く上げ、運転室からの視界を確保する装置です。
C12の場合は運転速度が低く、バック運転も多かったので装備されませんでした。

C12型は、地方駅での入れ替え作業などで、完全無煙化の直前まで使用されていた例が多く、保存機は比較的多いです。
山梨県ではこの5号機だけですが、長野県内には、67号(茅野駅東口広場)、171号(下諏訪町青少年広場)、199号(奈良井宿駐車場)の3両が保存されています。
動態保存機は、現在のところ真岡鐵道の66号機のみとなっています。

小型軽量で小回りの利くC12形はC56形とともに、二次大戦中に軍部の徴用を受け、60両(C56は90両)が中国、樺太、東南アジア諸国に送られています。
それらは「出征機関車」と呼ばれ、例外的な2両(C56の31号機、44号機)を除き、日本へ帰ることはありませんでした。