雪の辰野支線

13011301小雪舞うローカル線を走る単行電車。
中央線辰野支線のクモハ123-1。
塩尻発辰野行きの普通列車。

轍の音が近付く。

13011302単行はモーター音も低くレールを刻む音も軽い。
ポイントを超え、ブレーキ音が響く。

1301303小野駅2番線に到着。
下りる人は居ない・・二人ばかりの客が乗り込んだ。
急に雪が多くなってきた。

13011304雪の降りしきる中、何事もないように発車していく。
次の駅は信濃川島だ。

1301130527年間、毎日ここを走り続けてきた車両だ。
この短い支線だけを何度も何度も往復してきた。

雪がその姿を、風が轍の音を消した。

銀嶺トンネル完成で新線に移行した中央本線。
超ローカル線と化した辰野支線で単行で走れる電車が必要となり、1986年、荷物電車のクモニ143型から旅客用に改造されたただ1両の電車だ。

今年3月16日のダイヤ改正でE127系へ置き換えとなり、この形式は消滅する。
この姿が見られるのも、あと2ヶ月しか無い。