むくどりのゆめ

05032801今日は冷たい雨が降っています。うちの屋根にムクドリが3羽居ました。
あまり格好の良い鳥ではないし、色も地味で声も良くないのでバードウォッチングでも人気はありません。詩に詠まれる事もめったにありませんね。
でも、あか抜けない姿とコミカルにさえ見える動作が、何となく憎めない鳥でもあります。
そんなムクドリを童話作家の浜田広介(1893〜1973) は「むくどりのゆめ」という切なくて暖かい童話にしました。私が小さいころ、初めて自分で選んで買ってもらった本、広介の最初の童話集「椋鳥の夢」に収録されていた童話です。



むくどりのゆめ。ひろい野原のまん中に、古いクリの木がありました。その中に、とうさんむくどりと子どものむくどりが住んでいました。むくどりの子は、とうさんにかあさんどりは遠くに出かけていっているときかされていました。ほんとうは、もうこの世にいないのに・・だんだんふしぎになってきたむくどりの子は、とうさんにたずねます。「いつかえるの?」「海をこえたの?」「山をこえたの?」とうさんは、「ああ、そうだよ」とこたえます。十日たっても二十日たっても、かあさんはかえりません。ある日、木の枝にいちまいだけついていた枯れはが、カサコソなりました。むくどりの子は、その音がかあさんどりの羽音のように聞こえてしかたありませんでした。むくどりの子は、馬の尾の毛でその葉をむすび風が吹いてもとばないようにします。その夜、むくどりの子は夢をみます。白い羽のとりが、巣の中に入ってきたところで目がさめます。すぐに外に出てみると、かれ葉にうすい雪がかかっていました。

“むくどりのゆめ” への6件の返信

  1. 童話、大好きです。このお話は、今の子達には
    馴染みが無いかな。読み聞かせ、小学校のボランティア
    今年は復活しないとなあ。(グループがありましてね、
    去年約束してしまいました、来年またやるから、って)
    ははは、自業自得。
    でもつい、こういうのを選びたくなってしまうんですね。
    今年、息子は6年です。こういう童話がわかる子に
    なって欲しいと思っています。(でも、ちょい自分の
    小説とは路線が・・・!!)(自爆君)

  2. ASさん、いらっしゃい。
    こういう話が解る子どもたちが、その心を持ち続けて大人になれるなら、世界は変わるでしょう。
    でもそのためには、今の大人が自らを変えていかないと、、
    浜田広介さんの作品では「泣いた赤鬼」が一番有名でしょうか、知らない人少ないと思います。
    こういう作品を書く方ですから、戦争中などは苦労されたのでしょうね。

  3. そうですね、まったくその通りだと思います。
    人を信じる気持ちを持ち続けられた人が
    きっと「童話作家」でいられたんだろうとも
    思えるんです。その人の心は、とても尊いですね。
    理想ではあるんですけど、難しいですね。

  4. はじめまして。むくどりのゆめ、を検索してたらここにやってきました。子供の頃、東京に住む叔母のお土産で、「むくどりのゆめ」という本をプレゼントしてもらいました。お話の内容は、もう忘れてしまっていたのですが、子供の頃から本物見てみたいと思って気になっています。それと、どうして、お話の主役が、むくどり?っていう疑問が解けず、、、子育て終了し、3人の息子も20歳を過ぎました。くまぱぱさんも、最初の本だったとは、、、。あたたかく、せつないお話。私が、忘れられないのは、むくどりのゆめという言葉には、お話は覚えていなくても、あたたかいものを感じるということ。どうぞ、お話会がんばってください。50年近く過ぎても、忘れられないのは、すごいと思います。人生、そんなにすぐには結果はでないし、大人からの働きかけとしては、こういう種まきが、やはり必要だと思います!

  5. リンゴさん、いらっしゃい。
    3年も前の記事にコメントが付いたので驚きました。(笑
    この話は、どういう訳か記憶から消えないですね。
    いつまでも語り継がれて欲しいと思います。

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