絵の描き方ではなく、見方、楽しみ方の入門書です。
これは、息子が欲しいと言い出して通販で買った本ですが、読んでみると確かにこれは面白いです。
ルネサンス前のジョットから現代美術のホックニーまで、巨匠と呼ばれる画家の作品を紹介するのですが、その解説、、それは賞賛だけでなく、批判もあり、こき下ろしも当然のようにあるのですが、、それを同じ巨匠たちがやっているのです。
同時代の画家同士の場合は単に表現上の違いだけでなく、性格が合わないのがありありと分かるような感情的な言葉も出てきます。その一つ一つは紹介しませんが、印象派のゴーギャンやセザンヌ、時代が新しいマティスやデ・キリコの毒舌の反面、情熱の画家と言われるゴッホや、ピカソが案外常識的な批評を他人の作品に対してしています。ダリは自分の独自な解釈に専念しているようです。(笑
美術館にあまり行かない人は「芸術は分からない」とよく言います。
まあ、私は「分かる必要はない」「自分なりに楽しめばいい」と思うのですが、この本はその「楽しむための見方」を教えてくれますね。そういう意味でも「アートは苦手」という人にこそお勧めしたい本です。
時代による芸術の変遷など大きな流れの他に、誰と誰が付き合いがあったかとか、誰が貧乏だったかとか、サイドネタ的なものもあって楽しめますよ。
興味のある方は是非どうぞ。→「巨匠に教わる絵画の見かた」視覚デザイン研究所・編
最後に、私の愛するゴッホに一言。
ゴッホの絵画を居間の壁に掛けているのは大きな誇りだろう。しかし、ゴッホその人を居間に座らせるはめになったら、こりゃもう、考えただけでもえらいこったよ。(ベン・シャーン)
こんばんは!絵画の話だと嬉しいASです。
下手の横好きですが、画家同士の批判、批評って
傍目にはケンカのようですよねえ。
でも、分かる気がします。芸術って、つきつめれば
情熱ですよね。自分はどれだけ作品に情熱を込められたか。
それを、評価しなきゃならないとしたら。
それは、感情的になろうというものです。
ダリは、笑えました。ゴッホも、納得です。
作品の評価は時代を経て変わる、そう思います。
面白そうな本ですね。
その時代の考え方もあるだろうし、この本の着眼点が良いです。
こういう知識を持ってその作品を見るのとじゃ感じ方も違ったりしそうですね。
ASさん、いらっしゃい。
> 傍目にはケンカのようですよねえ。
実際、喧嘩もあったようですよ。(笑
印象派の画家たちが揃ってルネサンス期の画家に良い評価をするのに、
自分と同時代の画家を酷評しているのは面白いです。
exifさん、いらっしゃい。
たしかに「時代」というものがありますね。
まあ、その時代では変人扱いされていたゴッホなどが、後世の私たちが
読むと「当然至極」と思われる事を言っているのが面白いです。
彼の登場は100年早かったのかも知れません。