廃線の鉄橋・2

09081201廃線の鉄橋・1」の続きです。
中央本線、信濃境ー富士見間の廃線跡にある旧立場川橋梁です。
石積みの橋脚の所で橋の構造が変わります。

渓谷など、山の斜面から始まる長めの鉄橋では、いきなり大きなトラス橋を建設せず、両側を短いガーダー橋で挟むのは割と多いことです。
09081202このくらい退いた方が解りやすいですね。
見ての通り、こんな風になっています。
左(谷側)はトラス、右(山側)はガーダーと呼ばれます。
トラスに付いての説明は前回の記事をご覧ください。
09081203これが橋の入り口部分で、線路は撤去されていますが、ちょうど線路の真下に当たる位置に鉄板を立てた形の「桁」がある「デッキガーダー橋」です。
右側(富士見側)からトンネルを抜け、築堤上を走ってきた列車は、ここから橋梁に入り、このガーダー橋で道路を跨ぎ、橋脚の上からトラス橋を渡って信濃境へ向かうわけです。
09081204ガーダー部分は錆があまり激しくないので、元の塗装が緑色であることが分かります。
写真の真ん中辺りに「銘板」らしきものが見えます・・アメリカンブリッジ社のものだと思いますが、内容までは分かりませんね。
築堤には登れそうなんですが、今は草が深いため難しいです。
草のない時期に登って確認してみたいものです。
100年以上前の橋・・その上を何本の列車が通過してきたのでしょうか?
明治時代のオールドタイマーや大正生まれの8620形、昭和のD51など蒸気機関車の牽く列車もたくさん通ったでしょう。
懐かしの急行アルプスも、特急あずさも走りました。

役目を終えた鉄橋がここに残されているのは、解体コストがかかりすぎるからなのでしょうが、今は既に「歴史の記念碑」と言ってもいいですよね。
将来的には、崩落の危険なども出てくるのでしょうか?
出来ることなら、何時までもここにあって欲しいと思うし、それは私だけではないと思います。