甲斐大泉駅のポイント

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大泉駅の前後のポイントは一般的な片側が直線のものです。
これは上り方向です。

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これは下り方向。
左カーブの途中で直線方向も若干カーブしていますが、両開きではありません。

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比較として、甲斐小泉駅の上り側ポイントです。
これはY字(両開き)ポイントと言って、両側に同じ角度で分岐しています。

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甲斐小泉駅は下り側もY字ポイントです。

さて、何故このような違いがあるのでしょう。
小海線はご存知のように全線単線です。
単線の場合、すれ違いの出来る駅(交換駅)ではポイントで線路を上下線に分岐する必要があるのは当然ですね。
その際に、優先列車(特急など)が走らない路線の場合はY字ポイントを使う場合が多く、小海線も殆どの交換駅で採用されています。

では何故、甲斐大泉駅では片側が直線の一般タイプのポイントなのでしょうか?
それは、甲斐大泉駅が交換駅ではなかった・・つまり列車がすれ違えない駅だったからです。
小海南線として小淵沢―清里間が開通した時、駅間距離と信号取り扱いの関係から交換駅は甲斐小泉駅となり、全体の距離が短いことから二つの交換駅は不要だったのです。
小諸までの全線開通後も長期間そのままでした。
私の記憶では、私がSLを撮影に来ていた昭和45〜6年ころは交換駅になっていなかったと思います。

交換駅になったのは、多分清里プームが始まる頃・・列車本数を増やす必要ができたからだと思います。
そこで、ポイントを設置するわけですが、Y字ポイントを設置するには、駅全体の線路を全て敷設しなおさなければなりません。
そこで、それまでの線路はそのまま残し、片側に分岐させることにしたのです。
大泉駅のポイントがY字ポイントでないのは、以上のような理由があったのです。